体が硬いって?

「体が硬い」と聞くと

・前屈して手が床に届かない

・開脚の脚が開かない

というイメージだと思いますが、具体的にどこ(何)が硬いのでしょうか?

実はこれに関しては「色々」が正解なんです。わかりやすい前屈で言うと

・太ももの裏&ふくらはぎ・お尻・腰・背中・肩

と、体の背面のあらゆるところに原因が考えられます。

体の後側の筋肉!

さらに言えば

・筋肉・腱・靭帯・神経・皮膚・血管

など、いわゆる『軟部組織』が硬くなっているんです。(筋肉だけじゃないんですよ❗️)

ただ、これらの軟部組織で

「筋肉だけは軟らかいんだけど、神経が硬いのよね」

と言う現象はほぼ起こらず、大概筋肉の硬さからあちこちに影響が及んでくるといった具合ではあります。つまり、筋肉は硬くなっているんですよね。

前屈で手が床に届かない人が「体が硬い」というのはわかりやすいですが、前屈で手が床に着くのに硬いところがある、というのが難しいところ。

手は床についてる!けどなんだか硬そう…

上の写真の女性はももの裏が硬そうですが、腰・背中・肩の柔軟性で床に指が届いてしまうのです。筋肉は一つの塊ではなく部位ごとに、たくさんの筋繊維の集合体で、その一部分に硬い筋がある、という人が意外と多いんです。

硬い人がストレッチした時に痛み感じるのは筋肉の

固有感覚受容体

※主に筋肉や腱・皮膚・関節包に存在するセンサー。ここで筋肉の収縮・緊張・圧・振動の感知や関節運動の速度や方向を感知して脊髄や脳に伝達されます。

ここが「筋肉がこれ以上伸ばされたら切れてしまう」という危険を察知して痛みを出すのです。

実は筋肉が硬いとセンサーの感度が落ちるので、場所の精度や刺激の判別が上手にできなくなる、それによって例えば

・足の小指を角にぶつける

・体の傾きに気づかず転倒してしまう

などの弊害が出てきます。

ちなみに歩行に大きく関わる3つの感覚

・視覚・平衡感覚・固有受容感覚

このうち2つに機能障害が起こると立つことも難しくなると言われています。

「体が硬いと怪我しやすくなるよ」

昔から言われていたこの言葉、筋肉が硬いことによって肉離れや捻挫の危険性が上がるのは理解していましたが、センサーの精度が落ちることによる怪我(打撲や転倒)も考えられることがわかりました。トレーニングやストレッチは筋力をつけるためだけのものじゃないんですね!センサーの精度を高めて怪我をしにくい体づくりをしていきましょう。

人間の体の精巧さ。まだまだ奥が深いです。が、難しいことは置いといて「運動って大事だね」「体動かすって楽しい」をお伝えしていきたいと思います。

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